当研究室のアレキサンドライトレーザーに関する研究課題が、令和7(2025)年度科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)(基盤研究(C))に採択されました。研究課題の概要は、以下の通りです。
- 研究課題名: 低利得短パルスレーザーにおけるポピュレーションレンズ効果の影響解明
- 研究代表者: 佐藤 篤 (東北工業大学)
- 研究分担者: 石井 昌憲 (東京都立大学)
- 研究期間: 2025〜2027年度
- 研究の概要:
アレキサンドライトレーザーは、医療・美容分野に代表される多くの分野で利用されている可視(波長0.75 μm)レーザーである。これまでランプ励起で使われてきたアレキサンドライトレーザーも、青色及び赤色半導体レーザー(LD)の高出力化により、LD励起下での高出力動作が可能になりつつある。しかしながら、アレキサンドライト結晶は励起状態及び基底状態のCrイオン間の屈折率差に起因するポピュレーションレンズ効果の影響を受けやすく、これが高出力化や出力安定化の障害になっている。ポピュレーションレンズ(PL)効果は、近年、熱レンズ効果と切り分けた理論的・実験的研究が始まったばかりであり、励起条件に対する依存性や時間応答に関する知見はまだほとんど得られていない。本研究では、PL効果の挙動の解明により、テラヘルツ波発生及びライダー観測への応用を目的とした、サブナノ秒パルス発生が可能な高出力アレキサンドライトレーザーの実現を目指す。