3年生 専門必修科目の概要
情報通信工学セミナーI
研究室での研究内容の紹介ならびに学科学生会主催の研究室見学を行なう。研究室配属ガイダンスを行ない、研究室配属の方法を説明する。進学、就職支援、ならびに宮城県地域のインターンに関するセミナーを実施する。
情報通信工学実験II
コンピュータ内に格納されたデータを効果的に処理する方法、論理合成によるディジタル回路設計の基礎、ならびに基本的な電子回路の構成と特性について実験を行う。実験過程と結果を整理し、それを元に考察を加えてレポートを作成する。
情報通信工学研修I
配属される研究室の教員の指導の下、卒業研修を行うための基礎知識および技能を修得する。
3年生 専門選択科目の概要
アプリケーション開発
アプリケーション開発環境は、ソフトウェアの大規模化、複雑化によって組織化された開発体制に支えられるようになっている。統合的な開発環境を利用したアプリケーション開発に関して、理論だけでなく実践的な技術の習得を目指す。現在の多くのアプリケーションはGUIを備えており、プログラミング言語を理解するだけでなく、開発環境や多くのライブラリを使った開発が重要である。これらの技術を利用した体系的なアプリケーション開発について学ぶ。
計算機工学II
コンピュータのハードウェアとソフトウェアについて、高度な内容を学ぶ。ハードウェアに関しては、プロセッサの高速化手法であるパイプライン処理と命令レベル並列処理、ならびに、高速メモリシステムを実現するためのキャッシュメモリについて理解する。ソフトウェアに関しては、並行プロセスの協調と排他制御について理解する。
コンピュータグラフィックス技術
3次元コンピュータグラフィックス(CG)の概略と基礎について、座標変換やモデリング法、レンダリング法について講義する。また、CG法とレイトレーシング法による演習を行いCG作品を制作することで理解を深める。
情報セキュリティ
情報システムは我々の生活には無くてはならないものであり、その安全性・信頼性の確保すなわち情報セキュリティが最重要課題のひとつとなっている。本講義では、まず情報システムの安全性や信頼性を脅かす事象(脅威)にはどのようなものがあるのか学び、次にそれらの脅威の対策として現在利用されている要素技術について学習する。また、情報セキュリティに関連する法令・規格・標準技術についても学ぶ。
電気回路III
二端子対回路、過渡現象、および非正弦波周期波の解析方法など電気回路に関する基本的な性質、特徴について解説する。また、フィルタ回路等の実用的な電気回路に対する解析手法を学習することにより、線形回路に対する理解を深める。
電磁気学II
電磁気学IIでは、電磁気学Iで学んだ内容を基礎とし、マクスウェルの方程式への集約を意識しながら、諸法則の微分形の式の取り扱いについて解説する。分極や変位電流などの電磁気現象にも深く言及し、理解を深める。数学的な取り扱いが多いため、全体を通して数学系科目の復習をしておくことが望ましい。
通信システムI
通信システムは、通信すべき情報を電気信号波形に変形(変調)し、この信号を相手に伝え(伝送)、その受信波形から元の情報を再現(復調)する機能によって構成されている。本講義では、通信システムの基礎となる、信号変調技術、信号多重化技術、信号伝送技術、中継再生技術、通信網の構成手法の基礎について講義し、各種の通信システム構成を理解するための基礎的な知識を習得する。
半導体デバイス
情報通信技術を支えるエレクトロニクスの中枢である半導体デバイスの基本的理解を図ることを目的とする。本講義では、まず原子の基本構造と半導体材料の結晶構造に触れ、半導体デバイスの電気伝導機構の考え方の基本となるエネルギーバンド構造について説明する。半導体デバイスの動作原理を、物理的側面から視覚的に理解するためのツールであるエネルギーバンド構造を理解することが本講義で最も重要なことである。これを用いて、半導体の特徴と半導体中のキャリアの振る舞いを理解させ、ダイオードとトランジスタの動作原理について説明する。また、集積回路の基礎と半導体デバイスの作成プロセス技術について映像を交えて講義し、半導体デバイス産業の過去と現在の動向を調査する機会を設けている。
組込みシステム設計
組込みシステムの概念を理解する。マイコンを用いた組込みシステムの開発を体験し、組込みシステムの開発過程について学ぶ。
情報理論
シャノンの情報理論の基礎的概念から始まり符号理論の入門的知識までを学ぶ。情報の表現、情報量、情報源のモデル、情報源符号化、情報通信路のモデル、通信路符号化、線形符号、ハミング符号などの符号理論入門を学習する。
通信システムII
光通信、移動通信、衛星通信、GPS、レーダー等のディジタル通信システムを構築するための要素技術である、符号化技術、ディジタル変復調技術、マルチアクセス技術等の基本理論を学ぶ。
ディジタル信号処理
我々の身の回りにある音声や画像など多くの情報は連続的なアナログ信号であるが、近年ではコンピュータ等によるディジタルシステムで処理される事が多い。本講義ではディジタル信号ならびにその処理方法に関して、線形時不変システムでの取り扱いを概説する。さらに、 SPプログラミング体験を通して理解を深める。
電気・電子計測
計測対象の電流・電圧、インピーダンス、周波数・位相、電界・磁界等の諸量を電気的、電子的に計測することにより対象の状態情報を得ること、そして必要ならば計測結果をフィードバックして対象の状態を制御することは科学技術における重要な分野である。測定データの統計的取扱い、雑音の取扱い、測定機器と計測対象の入出力インピーダンス、様々な測定用 路、アナログ量をデジタル化する際に必須なA/D変換、物理量を電気量に変換するためのセンサー等の計測の基礎と基本的な測定機器の動作原理を学ぶ。さらにコンピュータを用いた電気・電子計測システムについて学ぶ。
電子回路II
電子回路は携帯電話などの情報機器から家電製品に至る様々な電気製品に適用され、我々の現代生活を支えている。それら多くの機器において使用されている、電力増幅、発振、変復調や電力制御などの代表的な回路について、その構成と動作について学ぶ。
電波工学
情報通信社会において、電波は不可欠な情報とエネルギー伝送媒体の一つである。基礎電波工学では、電波伝搬・ 伝送線路・アンテナなどの基礎について述べる。またその応用などについても触れる。
情報通信工学実験III
以下6 つのテーマに関して実験とまとめを行い、それぞれのテーマに設定された課題を達成する。
1.ディジタル信号処理
2.コンピュータグラフィックス
3.光通信
4.無線工学
5.コンピュータネットワーク
6.データサイエンス
テーマ3以降は数人のグループを構成し、個々人の技能修得に加えてグループでの適切な役割分担を行う。