1年生前期の専門教育科目と高校の科目
情報通信工学科への進学を考えている受験生のみなさんに、1年生前期の専門教育科目の内容と、直接関係している高校の科目、単元の内容を紹介します。大学の学科選びや高校でのコース選択の際にぜひ参考にしてください。
通信工学入門
情報は持っているだけでは役に立ちません。伝えることで大きな力となります。情報を遠くに伝えることに関わる学問が通信工学です。情報(信号)を遠くに伝えるときに使うのが、「波」です。この科目では、通信に関する基礎となる、波の取り扱いについて学びます。波を扱うために、高校数学の、数と式、図形と計量、いろいろな式、指数関数・対数関数、三角関数などで学んだ内容を直接使います。
情報工学入門
情報工学の基礎を学びます。高校科目情報Iの内容はもちろん、数学の数と式、指数関数・対数関数などの内容を使います。
情報通信の数学基礎
情報通信工学分野では、さまざまな情報に関する値や物理現象を数式を使って扱います。この科目は、数式の基本的なことがらを確認しながら、今後の学びにつなげていくものです。高校数学の、数と式、図形と計量、二次関数、指数関数・対数関数、三角関数などで学んだ内容を使います。
情報通信の物理基礎
情報通信工学分野では、電気信号、音波、電波、光信号などの物理現象を扱います。これらの物理現象を扱う上で、方向と大きさを同時に表すことのできる「ベクトル」が重要です。この科目では、ベクトルを使って力学を理解しながら、ベクトルの取り扱いを身に付けます。高校数学の、数と式、図形と計量、二次関数、三角関数、微分・積分の考えなどで学んだ内容を使います。高校での物理履修を前提とはしていませんが、高校物理を履修していると理解しやすいと思います。
解析I
情報通信工学分野では、電気信号、音波、電波、光信号など、さまざまな、時間によって変わる値(信号)を扱います。これらの信号を扱うときの基本となるのが微分、積分学です。解析Iでは、この先の専門科目を学ぶ際に必要になる微分、積分を学びます。高校数学の、式の展開と因数分解、 三角比、二次関数、直線と円、 指数関数、三角関数で学んだ内容を使います。高校で微分・積分を学んでいることを前提とはしていませんが、因数分解や指数法則は入学前教育や「情報通信の数学基礎」でしっかり学ぶ必要があります。
線形代数
情報通信工学分野では、「ベクトル」や「行列」と呼ばれる複数の値をひとかたまりにしたものを使います。この科目では、これら「ベクトル」と行列」の取り扱いについて学びます。ベクトルや行列は3次元空間を表すのにも使われますから、コンピュータグラフィクスや人工知能(AI)を実現する基礎学問ともなっています。高校数学の、数と式、図形と計量、二次関数、図形と方程式、三角関数、などで学んだ内容を直接使います。
情報リテラシーI
工学分野では、コンピュータをコミュニケーションツールやプレゼンテーションツールとして使うことがあります。この科目では、大学生や社会人としてのコンピュータの使い方、コミュニケーションツール、プレゼンテーションツールとしての使用について学びます。高校科目情報Iで学んだ内容が役立ちます。
プログラミング入門
プログラミングの基礎を学びます。高校科目情報Iの内容はもちろん、高校数学の、数と式、二次関数、数列などで学んだ内容が役立ちます。
※ ここに書かれている内容は、進学を考えている高校生向けに分かりやすく書きなおしたガイドです。実際にカリキュラムと完全には一致していないところもありますので、各自で シラバスを見て確認することが大事です。1年生後期以降の科目もシラバスを確認してください。
1年生の専門科目へ
※※ 高校によっては、学んでいない単元があるかもしれません。そのような方でも卒業できるカリキュラムとなっていますが、4年間で最終的に追い付くための努力は必要です。