分数の引き算(通分)

分数の引き算は通分して分母をそろえればできる、と小学校の先生が教えてくださいました。
\begin{align} \frac{1}{ 3 } - \frac{1 }{ 5 } = \frac{1 \cdot 5}{ 3\cdot 5 } - \frac{1\cdot 3 }{ 5\cdot 3 } \end{align}
分子が1でなくてももちろんできますよね \begin{align} \frac{3}{ 4 } - \frac{2}{ 5 } = \frac{3 \cdot 5}{ 4\cdot 5 } - \frac{2\cdot 4 }{ 5\cdot 4 } \end{align}
相手の分母を、上下にかけるだけですね \begin{align} \frac{1}{ a } - \frac{1 }{ 5 } = \frac{1 \cdot 5}{ a\cdot 5 } - \frac{1\cdot a }{ 5\cdot a } \end{align}
分母が文字でも、別に大丈夫ですね \begin{align} \frac{1}{ x } - \frac{1 }{ 5 } = \frac{1 \cdot 5}{ x\cdot 5 } - \frac{1\cdot x }{ 5\cdot x } \end{align}
分母が両方文字でも、別に大丈夫ですね \begin{align} \frac{1}{ x } - \frac{1 }{ b } = \frac{1 \cdot b}{ x\cdot b } - \frac{1\cdot x }{ b \cdot x } \end{align}
分子に文字が入っても、別に大丈夫ですね \begin{align} \frac{a}{ x } - \frac{2 }{ y } = \frac{a \cdot y}{ x\cdot y } - \frac{2\cdot x }{ y \cdot x } \end{align}
分母が式でも、式全体をひとかたまりとして扱えば別に大丈夫ですね \begin{align} \frac{1}{ (x+3) } - \frac{1 }{ b } = \frac{1 \cdot b}{ (x+3) \cdot b } - \frac{1\cdot (x+3) }{ b \cdot (x+3) } \end{align}
もともと左辺の x+3 には、かっこがついていないのが普通です。 \begin{align} \frac{1}{ x+3 } - \frac{1 }{ b } = \frac{1 \cdot b}{ (x+3) \cdot b } - \frac{1\cdot (x+3) }{ b \cdot (x+3) } \end{align}
こんなとき、自分でかっこを付け ( x+3 ) とかきます。
かっこをつけないでただ上下に b とか x+3 を書いてしまうと \begin{align} 正しくない例 = \frac{1 \cdot b}{ x+3 \cdot b } - \frac{1\cdot x+3 }{ b \cdot x+3 } \end{align}
となってしまい、足し算よりもかけ算優先なので、 \begin{align} 正しくない例 = \frac{1 \cdot b}{ x+3b } - \frac{x+3 }{ bx+3 } \end{align} という意味になり、もとの式の上下に同じものかけたのとは違ってしまいます。

次のような時も、 \( 2 + \Delta x\) に自分でかっこを付け \begin{align} \frac{1}{ 2 + \Delta x } - \frac{1}{\ 2\ } = \frac{2 \cdot 1}{2\cdot( 2 + \Delta x )} - \frac{1\cdot ( 2 + \Delta x )}{2\cdot( 2 + \Delta x )} \end{align} 上下に同じ$2$とか \( (2 + \Delta x)\) とかをかければ正しくできます。

分数は、上下に同じものをかけても値が変わらないからです。
5つに分けたうちの2個、と50に分けたうちの20個、は同じですよね。 \begin{align} \frac{2}{ 5 } = \frac{2\cdot 10}{5\cdot 10 } = \frac{20}{50 } \end{align} でも上下に同じものを足したらどうですか?値は変わってしまいますよね
\begin{align} \frac{2+ 10}{5+ 10 } = \frac{12}{15 } \end{align} なぜ今更こんなわかりきったことを書くかというと \begin{align} \frac{1}{ 2 + \Delta x } - \frac{1}{\ 2\ } = \frac{2 \cdot 1}{2\cdot( 2 + \Delta x )} - \frac{1\cdot ( 2 + \Delta x )}{2\cdot( 2 + \Delta x )} \end{align} をかくべきところに \begin{align} 正しくない例 = \frac{1}{ 2 + \Delta x } - \frac{1+ \Delta x}{\ 2+ \Delta x\ } \end{align} (うしろの上下に\(\Delta x \) を足してしまった)と書く人がいるためです。

苦しまぎれに自分でもおかしいと思うような変形をせず、
小学校の先生が教えてくださった基本に忠実に、
手間がかかっても誠実に書いていってください。

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