東北工業大学 工学部情報通信工学科 中川研究室


オイラーの公式 eix = cos(x) + i sin(x)

(前のページより)

 そもそも、どうして

指数関数の  eix を、

三角関数の  cos(x) と sin(x) の組み合わせ

で書こうと思ったのでしょう。 見た目もぜんぜん違うのに、、、

ヒントは微分にあります。


sin( x )
y  = sin(x)  を微分すると、
y ' = cos(x)  になりますが、これをもう一度微分すると
y ' ' = -sin(x) 
2回微分したら、最初の y と同じ sin(x) になって、マイナスがつきました。 y ' ' = - y

さらに
y ' ' ' = -cos(x) 
y ' ' ' ' = sin(x) = y
4回微分したら、最初と同じ sin(x) に戻りました。


cos( x )
y  = cos(x) も微分してみると、
y '  -sin(x)
y ' ' = -cos(x) = - y
2回微分したら、最初と同じ cos(x) になって、マイナスがつきました。

y ' ' ' = sin(x) 
y ' ' ' ' = cos(x) = y
4回微分したら、最初と同じ cos(x) に戻りました。

eax
指数関数 eax にも、似たような性質があります。
ここで a は定数です。

y  = eax を微分すると、
y '  = (eax) ' = a eax   これをもう一度微分すると、
y ' ' = ( a eax) ' = a2 eax

2回微分したら、同じ eax になって、 a2 がつきました。

ここで a2 が -1 なら、
sin(x) や cos(x) と同じように
「2回微分したら、前と同じ になって、マイナスがつく」 仲間になれるのでは?

a2 = -1 てことは、つまり a = i  または a = -i ですよね。




(ex ) ' = ex

(eax ) ' = a eax

は有名だよね
だけど
意味わかんない
そうはいっても、a に、こともあろうに 虚数 i なんかを代入して

eix

と書いちゃっていいのでしょうか??
eax なら、e を ax 回掛ける、っていう意味だろうけど、
「虚数回」 掛ける、って意味わからんですね。

さらに、 肩の上が虚数  ix のとき、
(eix ) '  をどうやって出したらいいかわからないですよね。

(eax ) ' = a eax を出すときに使った
(eah - 1) / ah → 1 ( h → 0 のとき) が、
a が虚数では使えないからです....



( i2 = -1 )
ここからは
仮定です
もしも
( eax ) ' = a eax  と同じように
( eix ) ' = i eix と書けるとしたら

eix も cos(x) と sin(x) の仲間になれるんじゃないか?
eix を cos(x) と sin(x) の組み合わせで
eix = A cos(x) + B sin(x) の形に書けるんじゃないか? と
考えたんですね。




( i2 = -1 )

続く 


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