太陽が風を吹き出しているかもしれない、ということを
最初に示したのは彗星の尾です。
彗星が太陽に近づいている時でも遠ざかっている時でも、
彗星の尾はいつも太陽とは反対の方向に伸びている様子が観測されます。
ケプラーは、1600年代初頭に、彗星の尾は
太陽の光の圧力を受けて太陽の反対方向に伸びるのだと考えました。
この考えは、今でも
多くの彗星のダストテイル(塵の尾)について当てはまります。
The first indication that the sun might be emitting a "wind" came from comet tails, observed to point away from the Sun, whether the comet was approaching the Sun or whether it was moving away. Kepler in the early 1600s guessed that those tails were driven by the pressure of sunlight, and his guess still holds true for the many comet tails which consist of dust. |
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Comets however also have ion tails, shining in their own spectral lines, not just in scattered sunlight. Such tails may point in slightly different directions, and are at times observed to accelerate quite suddenly, causing them to become kinked or bent. Comet Hale-Bopp , a prominent comet which was at its brightest in March-April 1997, clearly exhibited such twin tails. While the dust tail was much brighter, the plasma tail had a different color, tending towards the blue. |
太陽光の圧力ではこのようなイオンテイルの動きを説明することはできません。
1943年、ドイツのCuno Hoffmeister、さらにその後にはLudwig Biermannが
太陽は太陽光の他に "solar corpuscular radiation(太陽の球状の放射)"
という粒子の流れを放出していて、それが彗星の尾のイオンを
押すのではないかと提案しました。粒子の速度の変化で彗星の尾の加速を
説明できますし、彗星の尾が太陽の正反対には伸びていないのは
粒子の流れの速度は彗星の速度の何倍も速いわけではないためと
考えることができます。
Sunlight pressure cannot explain such behavior, but in 1943 Cuno Hoffmeister in Germany, and later Ludwig Biermann, proposed that apart from sunlight, the Sun also emitted a steady stream of particles, a "solar corpuscular radiation" which pushed the ions. Variations in the speed of the particles would explain the accelerations, and the tail did not point straight away from the Sun because the flow velocity of the particles was not too many times larger than the velocity of the comet itself.
パーカーの理論 Parker's Theoryこの"粒子の放射"が存在する理由は、まったくわかっていませんでした。 それが解明されたのは、シカゴ大学のEugene Parkerが1958年に コロナの平衡構造を求めようとした時です。太陽から非常に遠いところでは コロナは薄くなって圧力も密度も0になると考えられていましたが、 Parkerは、熱伝導のためにそういった静水圧平衡は成り立たず、 コロナの最上部がBiermannの提唱した粒子流と同じような速度で 太陽から流れ去っていることを発見しました。この流れは "solar wind 太陽風(たいようふう)"と名づけられ、 その存在は、のちに探査機の搭載機器によって確かめられました。No one gave a good reason why this "particle radiation" should exist, until Eugene Parker of the University of Chicago in 1958 tried to derive the equilibrium structure of the corona. One expects the corona at great distances to dwindle away to zero pressure and density, but Parker found that the conduction of heat interfered with such an equilibrium and instead another solution suggested itself, in which the topmost layers of the corona flowed away from the Sun at a velocity like that of Biermann's "corpuscular radiation." The flow was named "solar wind" and its existence was later confirmed by instruments aboard spacecraft.
太陽風は地球磁気圏の形を決め、地球磁気圏のいろいろな物理課程に
エネルギーを供給しています。太陽風の密度は、地球軌道上では
1立方センチメートルあたりイオン6個くらいという、
地上で実現できる最高の真空状態よりもずっとずっと少ない量です。
太陽風中のイオンの分布は全体的に太陽の組成の分布と似ています。
水素イオンがほとんどで、ヘリウムイオンが5%、そしてわずかな酸素イオンと
その他の成分です。(もちろん電子もあります。イオンの持つ正の電荷とは
逆に動いて、プラズマが電気的に中性になるように働いています。)
このすべてが平均400km毎秒の速度で太陽から外へ向かって流れており、
ボイジャー2号が示したように、太陽系の最も遠い惑星たちを超え、
太陽から地球までの距離の30倍以上遠くをも超え、さらに遠くまで吹いています。
磁場のエネルギーのほうが大きければ、磁力線は形を保ち、
粒子のほうがそれに合わせて動きます。
地球の放射線帯の中がちょうどこの状態にあります。
逆に、粒子のエネルギーのほうが勝っていれば、つまり、
磁場が弱くて粒子が濃ければ、粒子の運動はほんの少し影響を受けるだけなのに
磁力線は粒子の運動に沿うように曲げられ、引きずられてしまいます。
太陽風はこの状態にあります。
太陽本体からコロナに向かって伸びる磁力線を考えてみましょう。
磁力線の根元にある粒子は太陽と一緒にいるのに、
コロナの高いところにいる粒子は太陽風として流れ出し、
地球の軌道を超えてはるか遠くまで吹いて行きます。
この間中ずっと(理想的な状態の場合ですが、近似としてはOKです)
同じ磁力線が太陽面とはるか遠くの宇宙空間とをつないでいます。
つまり太陽の磁力線には、地球軌道よりも遠くまで広がって行くものがあり、
それが惑星間空間磁場(IMF)となります。太陽風が彗星のイオンテイルのイオンを
”ピックアップする”(それまで止まっていた粒子を太陽風と共に流れさせること)
のも惑星間空間磁場(IMF)のためですし、1985年の実験で人工彗星
("バリウムイオンの雲")
の周りでイオンがピックアップされたのもIMFがあるためです。
このあと述べるように、IMFは磁気圏と太陽風をつなぐ中心的な役割を果たしています。
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もっと詳しく Further Exploring
姉妹サイト
"「占星者から宇宙船まで」From Stargazers to Starships"
でも太陽と太陽風について取り扱っており、磁場の保存という概念を用いて
惑星間空間磁場(IMF)の形を描いています。その部分のリンクは
ここです |
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原著者: Dr. David P.
Stern
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Last updated:October 12, 2002