情報通信工学科 コンピュータ数値解析(学内専用) 担当:中川朋子


「長方形の短冊の集まり」で近似した場合なら、誤差は、刻み幅に比例します。
区間数を倍、倍、、にしたら、「誤差」や「前の値との差」が半分、半分、、になっていきます。

「台形の集まり」で近似した場合(台形公式)なら、誤差は、刻み幅の2乗に比例します。
区間数を倍、倍、、にしたら、「誤差」や「前の値との差」が 1/4、1/4、、になっていきます。

この規則性が成り立っている限り、
「打切り誤差」(本当は曲線の式を、直線で近似したことによる誤差)の方が
「丸め誤差」(限られたbit数で表現するための四捨五入や切り捨てによる誤差)より大きく、
区間数をまだ細かくできる、ということを表しています。

この規則性が急に崩れ出した(つまりグラフが変に曲がった)ら、
「丸め誤差」が「打切り誤差」より大きくなってしまったことを表し、
これ以上、区間数を増やせば増やすほど、
「丸め誤差」のために、かえって精度が悪くなってしまうことを表しています。

ですから、単に、「前回との差が最小ならばいい」のではなく、
”区間数を倍、倍、、にしたら、「誤差」や「前の値との差」が 1/4、1/4、、になっていく”
(誤差が刻み幅の2乗に比例している)
という台形公式の性質が成り立っているかどうか、また、
どれくらい細かい刻み幅までこの法則性が成り立っているのか、
を見ないといけません。


なお、この規則性が最初から崩れている場合は、
刻みが荒すぎで区間幅が1以上になっているか、
プログラムが間違っていることが多いです。 よくあるまちがい
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