東北工業大学 情報通信工学科 中川研究室


分散関係式(ω-k ダイヤグラム)
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ω-k図をかこうとしたときに困りがちなポイントは2つ、

・横軸がkだからといってkからωを求めようとすると無駄に大変

・リアルな値を入れようとするとはみ出してかけない



ωからkを 発想を転換して、ωから k を求めてグラフを書けば簡単です。

「cold近似平衡伝搬」の右回りの式
k2c2
ω2
= 1 -
ωpi2
ω(ω+Ωi)
-
ωpe2
ω(ω-Ωe)
両辺にω2かけて
k2c2 = ω2  -
ωpi2ω
(ω+Ωi)
 -
ωpe2ω
(ω-Ωe)

右辺のωに数値を代入すればkが計算できますね。





電磁波の分
また、右辺がパーツに分かれているところもよい点で、

もしイオン電子もない真空中ならば、
ωpi = 0 , ωpe = 0 なので 単に

k2c2 = ω2

となります。
これは学校で習った真空中の電磁波の伝搬の式です。
ω/k = Vphを使えば Vph = +-c とも書けるし、
k = 2π/λ,ω= 2πf を使えば c = +- fλ とかくこともできます。

k = 2π/波長λ
ω= 2π/周期T
周波数 f = 1/T
ω= 2πf
Vph = ω/k
(位相速度)

イオンの分 赤で書いたイオンの所を、分子のωがなくなるようにちょこっと変形し
k2c2 = ω2  -
ωpi2(ω+Ωii)
(ω+Ωi)
 -
ωpe2ω
(ω-Ωe)
k2c2 = ω2 - ωpi2{ 1-
Ωi
(ω+Ωi)
} -
ωpe2ω
(ω-Ωe)
k2c2 = ω2 + ωpi2{ -1+
Ωi
(ω+Ωi)
} -
ωpe2ω
(ω-Ωe)
k2c2 を y と考え、ωを x みたいに考えれば、
イオンだけの部分 y = ωpi2 { -1+
Ωi
(ω +Ωi)
}  は、
ω = i と y = pi2 という 漸近線を持った双曲線になります。

双曲線
y = a +
c
x+b
の漸近線
x = -b, y = a
パーツ別
グラフ
縦軸 y を k2c2 とし、横軸をωとして
電磁波の分 y = ω2 を緑で、
イオンの分の双曲線をピンクで書くとこんな感じ



電子の分 青で書いた電子の所も変形すると
k2c2 = ω2 + ωpi2{ -1+
Ωi
(ω+Ωi)
} -ωpe2 { 1+
Ωe
(ω-Ωe)
}
k2c2 = ω2 + ωpi2{ -1+
Ωi
(ω+Ωi)
} +ωpe2 { -1-
Ωe
(ω-Ωe)
}

電子の分は 漸近線 ω = Ωe と y = - ωpe2 の双曲線になります。


イラストっぽく描く
リアルに描こうとすると、
電子サイクロトロン角周波数Ωe
イオンサイクロトロン角周波数Ωiの桁が違いすぎて、
Ωpiが入るように書くとΩeがはみだし、
Ωpeが入るように書くとΩiがつぶれて見えなくなり
結構困ります。

教科書とか先生の板書のように イラストっぽく描くためには、
リアルな数値はいったんあきらめて
1枚のグラフに入るような数値を選んで書くとよいです。



リアル
Ωi: Ωe
= ωpi2: ωpe2
= 1 : 1836

左の作図用
Ωi: Ωe = 1 : 5


リアル
Ωi : ωpi
= VA : c
= 1 : 数千
(太陽風中)

左の作図用
Ωi : ωpi
= 1 : 2

続く

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