東北工業大学 工学部情報通信工学科 中川研究室


テイラー展開

前のページより続く f(x) = .... を x=a の周りでテイラー展開しなさい
といわれた場合の完成形は、
f(x) 〜 c0 + c1(x-a) + c2(x-a)2 + c3(x-a)3
+ c4(x-a)4 + c5(x-a)5 + ... + cn(x-a)n + ... 
のような形で、ここに出てくる c0 , c1 , c2 , ..., cn の部分に あらかじめ求めておいた数値を入れたものです。
(x-a)微小であることに注意。

cn = f(n)(a)/n!
計算方法がわからない?

0次近似 (x-a) は微小なので、場合によっては無視してもいいですよね。 上の式を1項め (c1のとこ) までで打ち切って
f(x) 〜 c0 」 + c1(x-a) + c2(x-a)2 + c3(x-a)3 + ...
(ここで打ち切り)
それ以降の (x-a) の出てくる項 c1(x-a) + c2(x-a)2+ ... を無視し、 c0 = f(a) を代入すれば
f(x) 〜 f(a)  
となるよね。これが0次近似。 定数で近似したわけです。
x 〜 a なんだから、f(x) 〜 f(a) となるのは当り前だ。 

1次近似
(線形近似)
(x-a)は微小なので、その2乗はもっともっと微小だから 無視したっていいですよね。
テイラー展開の式を(x-a)の1次の式までで打ち切って
f(x) 〜 c0 + c1(x-a)  」 + c2(x-a)2 + c3(x-a)3 + ...
   (ここで打ち切り)
c0 = f(a) と c1 = f'(a) を代入すれば
f(x) 〜 f(a) + f'(a)(x-a)
となるね。これが1次近似。 直線で近似しています。 だから線形近似とも言います。 これだけでもかなり便利です。

前のページで、 x がとっても小さいとき
sin( x ) の代りに ただの x を計算すればいいよ、
x がとっても1に近いとき
log( x ) の代りに x-1 を計算すればいいよ、
といったのはこれです。


f'(a)って何だ?

1次近似を味わう
2次近似
cos(x) のような場合、 x=0 の周りでテイラー展開すると f'(0) = -sin(0) = 0 なため c1が 0 となり、 1次近似しても結果がただの定数の1になってしまいます。 これでも まあ いいのですけれど、 もう少し詳しく近似するなら (x-a) の2次の項まで取って
f(x)〜 c0 + c1(x-a) + c2(x-a)2
のように近似すると良いです。これが2次の近似です。

これを使ってcos(x)を x=0 の周りでテイラー展開すると cos(x) 〜 1 - 0.5 x2 と書けます。

問題で実践

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