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\( f(x) = \tan{x}\) の 導関数を求めよ
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導関数は
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\begin{align}f'(x) = \lim_{h \rightarrow 0} \frac{f( x+{h } ) - f(x)}{h }\end{align}
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\( f( x ) = \tan{x } \) の式中の $x$ は「記入欄」だと思って
\( f( ) = \tan{( )\ } \) と書き、
\( f( x+{h } ) = \tan{(x+h ) \ } \)
これを代入
\begin{align}
f'(x)
&=& \lim_{h \rightarrow 0} \frac{\quad f( x+{h } ) - f(x) }{h }
\\
\\
&=& \lim_{h \rightarrow 0} \frac{ \tan{(x+h ) \ } - \tan{( x )} }{h }
\end{align}
ここで使うとよいのは
$\displaystyle
\tan{( x )} = \frac{\sin{(x)}}{\cos{(x)}}$
です。
$x$ のところを記入欄だと思えば
$\displaystyle
\tan{( \quad )} = \frac{\sin{(\quad)}}{\cos{(\quad)}}$
なので、
$\displaystyle
\tan{( x+h )} = \frac{\sin{(x+h)}}{\cos{(x+h)}}$
ですよね。これを代入します。
\begin{align}f'(x)
&=& \lim_{h \rightarrow 0} \frac
{ \frac{\sin{(x+h)}}{\cos{(x+h)}} - \frac{\sin{(x)}}{\cos{(x)}} }
{h }
\end{align}
分数の中の分数は書くのが大変なので、
分子を{ }で囲って後ろに下します。
\begin{align}f'(x)
&=& \lim_{h \rightarrow 0} \frac{1}{h}
\{ \frac{\sin{(x+h)}}{\cos{(x+h)}}
- \frac{\sin{( x )}}{\cos{( x )}}
\}
\end{align}
通分してください。分母を揃えるため
前半には $\cos{(x)}$ 後半には $\cos{(x+h)}$ をかけ
\begin{align}f'(x)
&=& \lim_{h \rightarrow 0} \frac{1}{h}
\{
\frac{\sin{(x+h)}\cos{(x)} }{\cos{(x+h)}\cos{(x)} }
- \frac{\cos{(x+h)}\sin{(x)} }{\cos{(x+h)}\cos{(x)} }
\}
\\
\\
&=& \lim_{h \rightarrow 0} \frac{1}{h}
\{
\frac{\sin{(x+h)}\cos{(x)} - \cos{(x+h)}\sin{(x)}}{\cos{(x+h)}\cos{(x)} }
\}
\end{align}
ここで分子を音読してみます。サイン・コス ひく コス・サイン、
どっかで聞いたことあります。
$(x+h)$ を A, $x$ をBとおいたときの $\sin{A}\cos{B}-\cos{A}\sin{B}$
これって $\sin(A-B)$ですよね!
\begin{align}f'(x)
&=& \lim_{h \rightarrow 0} \frac{1}{h}
\frac{ \sin{\{(x+h) - x \}}}{\cos{(x+h)}\cos{(x)} }
\end{align}
引き算して整理
\begin{align}f'(x)
&=& \lim_{h \rightarrow 0}
\frac{ \sin{ h} }{ h \cos{(x+h)}\cos{(x)} } \\
\\
&=& \lim_{h \rightarrow 0}
\frac{ \sin{ h} }{ h}
\frac{1}{ \cos{(x+h)}\cos{(x)} }
\end{align}
$\displaystyle
\lim_{h \rightarrow 0}
\frac{ \sin{h} }{ h }
= 1
$
より
\begin{align}f'(x) &=& 1\cdot \frac{1}{\cos{(x+0)}\cos{x}}
\\
\\
&=& \frac{1}{(\cos{x})^2}
\\
\\
&=& \frac{1}{\cos^2{x} }
\end{align}
- まとめると
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\begin{align}
( \tan{(x)} )' = \frac{1}{\cos^2{x} }
\end{align}
この結果を見ると、2乗しているので、マイナスにはならないよね。
0にはなるかな?
分母の2乗は最大でも1、なので増加率は最小でも1で、0になりません。
ということは増加率は常にプラス。
$y=\tan{x}$ のグラフは常に増え続けるグラフです。
$x$が${\pi\over 2}$ に近づくと分母は0に近づいてしまう。
ということは、0でわったら無限大になってしまうから、
$x \rightarrow {\pi\over 2}$ で、$y=\tan{x}$ のグラフは傾きが無限大に立ってしまう。
ということがわかります。
増加率最小(分母が最大)になるのは $x=0$ のときで、
そのときの増加率は1。
つまり$y=\tan{x}$ のグラフは$ x=1$ における傾きが1。
前に課題で書いたグラフはそうなっていたかな?
たしかめてみてね
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