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解析 I (8回目)三角関数の微分

\( f(x) = \tan{x}\) の 導関数を求めよ

導関数は
\begin{align}f'(x) = \lim_{h \rightarrow 0} \frac{f( x+{h } ) - f(x)}{h }\end{align}
\( f( x ) = \tan{x } \) の式中の $x$ は「記入欄」だと思って
\( f( ) = \tan{( )\ } \) と書き、

\( f( x+{h } ) = \tan{(x+h ) \ } \)

これを代入
\begin{align} f'(x) &=& \lim_{h \rightarrow 0}  \frac{\quad f( x+{h } )  - f(x) }{h } \\ \\ &=& \lim_{h \rightarrow 0} \frac{ \tan{(x+h ) \ } - \tan{( x )} }{h } \end{align}
ここで使うとよいのは
$\displaystyle \tan{( x )} = \frac{\sin{(x)}}{\cos{(x)}}$ です。 $x$ のところを記入欄だと思えば
$\displaystyle \tan{( \quad )} = \frac{\sin{(\quad)}}{\cos{(\quad)}}$ なので、
$\displaystyle \tan{( x+h )} = \frac{\sin{(x+h)}}{\cos{(x+h)}}$ ですよね。これを代入します。 \begin{align}f'(x) &=& \lim_{h \rightarrow 0} \frac { \frac{\sin{(x+h)}}{\cos{(x+h)}} - \frac{\sin{(x)}}{\cos{(x)}} } {h } \end{align}
分数の中の分数は書くのが大変なので、
分子を{  }で囲って後ろに下します。
\begin{align}f'(x) &=& \lim_{h \rightarrow 0} \frac{1}{h} \{ \frac{\sin{(x+h)}}{\cos{(x+h)}} - \frac{\sin{( x )}}{\cos{( x )}} \} \end{align}
通分してください。分母を揃えるため
前半には $\cos{(x)}$ 後半には $\cos{(x+h)}$ をかけ
\begin{align}f'(x) &=& \lim_{h \rightarrow 0} \frac{1}{h} \{ \frac{\sin{(x+h)}\cos{(x)} }{\cos{(x+h)}\cos{(x)} }  - \frac{\cos{(x+h)}\sin{(x)} }{\cos{(x+h)}\cos{(x)} } \} \\ \\ &=& \lim_{h \rightarrow 0} \frac{1}{h} \{ \frac{\sin{(x+h)}\cos{(x)} - \cos{(x+h)}\sin{(x)}}{\cos{(x+h)}\cos{(x)} }  \} \end{align}
ここで分子を音読してみます。サイン・コス ひく コス・サイン、
どっかで聞いたことあります。
$(x+h)$ を A, $x$ をBとおいたときの $\sin{A}\cos{B}-\cos{A}\sin{B}$
これって $\sin(A-B)$ですよね!
\begin{align}f'(x) &=& \lim_{h \rightarrow 0} \frac{1}{h} \frac{ \sin{\{(x+h) - x \}}}{\cos{(x+h)}\cos{(x)} } \end{align}
引き算して整理 \begin{align}f'(x) &=& \lim_{h \rightarrow 0} \frac{ \sin{ h} }{ h \cos{(x+h)}\cos{(x)} } \\ \\ &=& \lim_{h \rightarrow 0} \frac{ \sin{ h} }{ h} \frac{1}{ \cos{(x+h)}\cos{(x)} } \end{align}
$\displaystyle \lim_{h \rightarrow 0} \frac{ \sin{h} }{ h } = 1 $ より \begin{align}f'(x) &=& 1\cdot \frac{1}{\cos{(x+0)}\cos{x}} \\ \\ &=& \frac{1}{(\cos{x})^2} \\ \\ &=& \frac{1}{\cos^2{x} } \end{align}

まとめると
\begin{align} ( \tan{(x)} )' = \frac{1}{\cos^2{x} } \end{align} この結果を見ると、2乗しているので、マイナスにはならないよね。
0にはなるかな?
分母の2乗は最大でも1、なので増加率は最小でも1で、0になりません。
ということは増加率は常にプラス。
$y=\tan{x}$ のグラフは常に増え続けるグラフです。

$x$が${\pi\over 2}$ に近づくと分母は0に近づいてしまう。
ということは、0でわったら無限大になってしまうから、
$x \rightarrow {\pi\over 2}$ で、$y=\tan{x}$ のグラフは傾きが無限大に立ってしまう。
ということがわかります。

増加率最小(分母が最大)になるのは $x=0$ のときで、
そのときの増加率は1。
つまり$y=\tan{x}$ のグラフは$ x=1$ における傾きが1。

前に課題で書いたグラフはそうなっていたかな?
たしかめてみてね


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