index 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

解析 I 置換積分

置換積分のよくある間違い

$\displaystyle \int_{\Large x=0から}^{\Large x={\pi \over 3}まで} \cos^3{x} \, dx $

失敗例
$u=\cos{x}$ と置きたくなりますが、その微分 $-\sin{x}$がありません。


おかしいなと思いながら強行すると、

(1) $u=\cos{x}$ とおくと

(2) 積分範囲
$x$ | 0 $\rightarrow$ ${\sqrt{\pi} \over 3}$
$u$ | 1 $\rightarrow$ ${ 1 \over 2}$

(3) $dx$ の書き換え
$\displaystyle {du \over dx } = -\sin{x} $ より
${du } = -\sin{x} dx $
${dx } = -{1\over \sin{x}}du $

代入すると
(与式)= $\displaystyle \int_{\Large u=1から}^{\Large u={ 1 \over 2}まで} u^3 (- {1\over \sin{x}}) \, du $  $\sin{x}$ が消えません!

$u$ と $x$ が混ざった式になって、$u$ だけになりません!
$u$ と $x$ が混ざったら失敗です! $u$ とおいたら、$u$ の微分がついてないと。

成功例
ではどうするかというと、3乗を1乗と2乗の掛け算に分け \begin{align} \int_{\Large x=0から}^{\Large x={\pi \over 3}まで} \cos^3{x} \, dx &= \int_{\Large x=0から}^{\Large x={\pi \over 3}まで} ( \cos{x} )^3 \, dx \\ &= \int_{\Large x=0から}^{\Large x={\pi \over 3}まで}\cos{x} ( \cos{x} )^2 \, dx \\ \end{align} $ \cos{x}$ のほうが $u$ の微分になるように変形します。

ここで役立つのが
$ \sin ^2{\theta } + \cos ^2{\theta } = 1 $

$x$でも成り立つので $ \sin ^2{x } + \cos ^2{x } = 1 $
よって  $ \cos ^2{x } = 1 - \sin ^2{x } $

これより、 \begin{align} 与式 &= \int_{\Large x=0から}^{\Large x={\pi \over 3}まで}\cos{x} ( 1- \sin^2{x} ) \, dx \\ \end{align} $\sin{x}$ を $u$ と考えたらできますね。

やってみて
(1) $u=$

(2) 範囲の書き換え


(3) $dx$ の書き換え
$\displaystyle {du \over dx } = \qquad \qquad $ より

${du } = $
よって
${dx } = $


できたら めくる