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例題 |
ラプラス変換を使って、微分方程式の初期値問題
y ' +2 y = e-t ただし y(0) = 3
をやってみましょう。
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1.両辺をラプラス変換する
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( y ' ) +2( y ) = ( e-t )
正直言って、単に( ) つけまくっただけです。
右辺にも忘れずにつけるのがポイントです。
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練習問題一覧
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2.ラプラス変換の微分法則 を使う
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-y(0) + s( y )
+ 2( y ) = ( e-t )
微分したf 'のラプラス変換を、微分の出てこない形に書き換えます。
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微分法則
( y’ )
= - y(0) +
s ( y ) |
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3.初期条件を使う
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-3 + s( y ) + 2 ( y ) = ( e-t )
問題文に書いてある y(0) = 3 を代入すればいいです。
y(0) の数値が書いてない問題なら、 y(0) はそのまま定数として扱えばOKです。
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4.右辺を計算する
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$\displaystyle -3 + s \mathcal{L}(y) +2 \mathcal{L}(y) = { 1 \over s-(-1) } $
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計算方法
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5.左辺を( y ) でまとめ、
( y ) = の形に持ち込む
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$\displaystyle -3 + (s+2) \mathcal{L}(y) = { 1 \over (s+1) } $
両辺 +3
$\displaystyle \quad \quad (s+2) \mathcal{L}(y) = { 1 \over (s+1) }+3 $
両辺× ${1 \over (s+2)}$
$\displaystyle \quad \quad \mathcal{L}(y) = \left\{ { 1 \over (s+1) }+3 \right\} {1 \over (s+2)}$
分配
$\displaystyle \quad \mathcal{L}(y) = { 1 \over (s+1) (s+2) }+3\cdot {1 \over (s+2)}$
部分分数分解
$\displaystyle \quad \mathcal{L}(y) = { 1 \over (\quad )}
\left\{
{ 1 \over (s+1) } - { 1 \over (s+2) }
\right\}
+3\cdot {1 \over (s+2)}$
と書いてみて、引き算部分を通分してみると
$\displaystyle \quad \mathcal{L}(y) = { 1 \over ( 1 )}
\left\{
{ 1 \over (s+1) } - { 1 \over (s+2) }
\right\}
+3\cdot {1 \over (s+2)}$
$\displaystyle \quad \mathcal{L}(y) =
{ 1 \over (s+1) } - { 1 \over (s+2) }
+3\cdot {1 \over (s+2)}$
$\displaystyle \quad \mathcal{L}(y) =
{ 1 \over (s+1) } +2\cdot {1 \over (s+2)}$
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6.右辺が何のラプラス変換か考える
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ここで、前に体験した思い出が必要になるわけだ
( y ) =
2 ( e-2t )
+ ( e-t )
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7.両辺の( )を同時にはずす
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y = 2 e-2t + e-t
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思い出すのは 邪道? |
検算しましょう
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出来た答えを元の方程式に代入して、成り立つかどうか確かめよう。
y = 2 e-2t + e-t
を微分すると
y’ = -4 e-2t - e-t
これを元の方程式の左辺 y ' +2 y に代入してみると
y ' +2 y =
( -4 e-2t - e-t)
+ 2 ( 2 e-2t + e-t)
これは
= e-t
になりました。問題の式の右辺と同じになったのでokです!
初期条件も代入して確かめましょう。
y = 2 e-2t + e-t に
t=0 を代入すると
y = 2 e0 + e0 =2+1 = 3
初期条件と同じになったのでokですね!
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