東北工業大学 工学部情報通信工学科 中川研究室


ラプラス変換

前の問題

例題
ラプラス変換を使って、2階微分がでてくる問題

 y '' + 2 y ' + y = sin( t ) ただし y(0) = 1y'(0)=0

をやってみましょう。

1.両辺をラプラス変換する
ラプラス変換( y '' ) + 2 ラプラス変換( y' ) + ラプラス変換( y ) = ラプラス変換( sin(t) )

2.ラプラス変換の微分法則 を使う
ラプラス変換( y' ) = -y(0) + sラプラス変換( y ) なので、
y'' は (y')' と考えれば
ラプラス変換( y'' ) = -y'(0) + sラプラス変換( y' )だから
これを代入
-y'(0) + sラプラス変換( y' )  + 2 ラプラス変換( y' ) + ラプラス変換( y ) = ラプラス変換( sin(t) )

3.もう一度ラプラス変換の微分法則 を使う
-y'(0) + s{ -y(0) + sラプラス変換(y) } + 2 { -y(0) + sラプラス変換(y) } + ラプラス変換(y) = ラプラス変換( sin(t) )

微分がでてこなくなるまで書き換えます。

4.初期条件を使う
問題文に書いてある y(0) = 1, y'(0)=0 を代入
0 + s { -1 + s ラプラス変換( y )}  + 2 { -1 + s ラプラス変換( y )} + ラプラス変換( y ) = ラプラス変換( sin(t) )
整理整頓
( s2 + 2s + 1 )ラプラス変換( y ) -s -2 = ラプラス変換( sin(t) )

5.右辺のラプラス変換を計算する
( s2 + 2s + 1 )ラプラス変換( y ) - s - 2 = 1s2+1

6.ラプラス変換( y ) = の形に持ち込む
( s2 + 2s + 1 )ラプラス変換( y ) = s+2+1s2+1

L(y)=s+2(s+1)2+1(s+1)2(s2+1)

このままでは何のラプラス変換かわかりにくいので、

7. 何のラプラス変換か考えやすいように変形
1項目の s+2 をs+1 と 1 に分けて
L(y)=s+1(s+1)2+1(s+1)2+1(s+1)2(s2+1)

1項めを約分

L(y)=1(s+1)+1(s+1)2+1(s+1)2(s2+1)

何のラプラス変換か思い出し

L(y)=L(et)+L(tet)+1(s+1)2(s2+1)
3項目
L(y)=L(et)+L(tet)+1(s+1)1(s+1)1(s2+1)

3項めの分母が s と s2 では部分分数分解しにくいので s2 で揃えるように細工

L(y)=L(et)+L(tet)+1(s+1)(s1)(s+1)(s1)1(s2+1)
分子の(s-1)はちょっとよけておく

L(y)=L(et)+L(tet)+(s1)(s+1)1(s21)1(s2+1)

分母にs2が入っているもの同士だと 部分分数分解しやすいよ

L(y)=L(et)+L(tet)+(s1)(s+1)12{1(s21)1(s2+1)}

分配

L(y)=L(et)+L(tet)+12{(s1)(s+1)(s21)(s1)(s+1)(s2+1)}

3項目約分

L(y)=L(et)+L(tet)+12{1(s+1)2(s1)(s+1)(s2+1)}

3項目

L(y)=L(et)+L(tet)+12L(tet)12(s1)(s+1)(s2+1)

2項目3項目は同じだからまとめて、4項目の分母がs2で始まるるように上下に(s-1)

L(y)=L(et)+32L(tet)12(s1)2(s1)(s+1)(s2+1)

分子は前によけておいて

L(y)=L(et)+32L(tet)(s1)221(s21)(s2+1)

分母の頭がs2に揃ったので部分分数分解
L(y)=L(et)+32L(tet)(s1)2212{1(s21)1(s2+1)}

分配
L(y)=L(et)+32L(tet)14{(s1)2(s21)(s1)2(s2+1)}

約分と展開
L(y)=L(et)+32L(tet)14{(s1)(s+1)s22s+1(s2+1)}

分子の (s-1) は (s+1)-2、s2-2s+1 は (s2+1)-2s と考えると L(y)=L(et)+32L(tet)14{(s+1)2(s+1)(s2+1)2s(s2+1)}

L(y)=L(et)+32L(tet)14{12(s+1)1+2s(s2+1)}
整理整頓
L(y)=L(et)+32L(tet)+12{1(s+1)s(s2+1)}

何のラプラス変換か考える
L(y)=L(et)+32L(tet)+12{L(et)L(cos(t))}

L(y)=32L(et)+32L(tet)12L(cos(t))

8.両辺のラプラス変換( )を同時にはずす
y=32et+32tet12cos(t)
検算しましょう
出来た答えを元の方程式に代入して、成り立つかどうか確かめよう。
y = (3/2) e-t + (3/2) t e-t - (1/2) cos(t)
を微分すると
y' = -(3/2) e-t + (3/2) e-t - (3/2) t e-t +(1/2) sin(t)
y' = -(3/2) t e-t +(1/2) sin(t)
y'' = -(3/2) e-t +(3/2) t e-t+(1/2) cos(t)
これを元の方程式の左辺 y'' + 2y' + y に代入し
問題の式の右辺と同じになればOKです。

初期条件も代入して確かめましょう。
y(t) = (3/2) e-t + (3/2) t e-t - (1/2) cos(t) に t=0 を代入すると
y(0) = (3/2) + 0 - (1/2) = 1  なので OK
また
y'(t) = -(3/2) t e-t +(1/2) sin(t) に t=0 を代入しても
y'(0) = 0
初期条件と同じになったのでokですね!

練習問題

この問題をラプラス変換を使わないで解く

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