-
\begin{align}
\int_{x=aから}^{x=bまで} (微分後) \ dx \quad
= \quad
\Bigl[ 微分前 \Bigr]_{x=aから}^{x=bまで}
\end{align}
- 掛け算の積分を求めるには、
- 掛け算つながりで、掛け算の微分から行きます。
\begin{align}
( f(x)g(x) )' = f'(x)g(x) + f(x) g'(x)
\end{align}
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この両辺をそのまま積分します。積分記号
$\displaystyle \int_{x=a}^{x=b}$ と $dx$ をつけるだけです。
\begin{align}
\int_{x=a}^{x=b}( f(x)g(x) )' dx =
\int_{x=a}^{x=b} f'(x)g(x) dx +
\int_{x=a}^{x=b}f(x) g'(x) dx
\end{align}
ここで左辺の中身を見ると $( f(x)g(x) )'$ ですね。
微分後が $( f(x)g(x) )'$ なら、
[ 微分前 ] は当然 $[ f(x)g(x) ]$ ですよね。
\begin{align}
\Bigl[ f(x) g(x) \Bigr]_{x=a}^{x=b}
=
\int_{x=a}^{x=b} f'(x)g(x) dx +
\int_{x=a}^{x=b}f(x) g'(x) dx
\end{align}
右辺には掛け算の積分が2つでましたね!
右辺1項目を両辺から引くと
\begin{align}
\Bigl[ f(x) g(x) \Bigr]_{x=a}^{x=b}
-
\int_{x=a}^{x=b} f'(x)g(x) dx
=
\int_{x=a}^{x=b}f(x) g'(x) dx
\end{align}
になりました。右辺と左辺を入れ替えると
\begin{align}
\int_{x=a}^{x=b}f(x) g'(x) dx
=
\Bigl[ f(x) g(x) \Bigr]_{x=a}^{x=b}
-
\int_{x=a}^{x=b} f'(x)g(x) dx
\end{align}
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と書けますね。これを使って書き換えると、積の微分が簡単にできるのです。
えっどうして?右辺にも積の微分があるじゃない?
それは、
左辺と右辺で微分記号 $ ' $ の位置が違うところがポイントです。
$f(x)$ が $x$ だったら、$f'(x)=1$ になり、
実質、右辺の積分に掛け算が出てこなくすることができるのです。
- 問題
-
\begin{align}
\int_{x=0}^{x=1} x \, e^{2x} \ dx
\end{align}
なら、これから微分したら1になる $x$ の方を$f(x)$、
微分しても積分してもあまり変わらない $e^{2x}$ の方を$g'(x)$とおいて、
それを以下のようにメモして
$f(x) = x$
$g'(x) = e^{2x}$ さらに微分前の$g(x)$考えてメモ
$\displaystyle g(x) = {e^{2x} \over 2}$
このメモを見ながら対応するところに書いていく
\begin{align}
\int_{x=a}^{x=b}f(x) g'(x) dx
&=
\Bigl[ f(x) g(x) \Bigr]_{x=a}^{x=b} &-& \int_{x=a}^{x=b} f'(x)g(x) dx \\
\int_{x=0}^{x=1} \quad x \, e^{2x} \quad dx
&=
\Bigl[ \quad x {e^{2x} \over 2}\quad \Bigr]_{x=0}^{x=1} &-& \int_{x=0}^{x=1} 1\cdot {e^{2x} \over 2} dx \\
& 代入
\\
&=
1\cdot {e^{2} \over 2} - 0\cdot e^0 &-& {1\over 2} \int_{x=0}^{x=1} e^{2x} dx \\
\\
&=
{e^{2} \over 2} - 0 &-& {1\over 2} \int_{x=0}^{x=1} e^{2x} dx \\
&\quad & 積分\\
&=
{e^{2} \over 2} &-& {1\over 2}
\Bigl[ {e^{2x} \over 2} \Bigr]_{x=0}^{x=1}\\
&\quad &代入\\
&=
{e^{2} \over 2} &-& {1\over 2}
\left( {e^{2} - e^0 \over 2} \right) \\
&\quad &分配\\
&= {e^{2} \over 2} &-&
{e^{2}\over 4} + {1\over 4} \\
\\
&=
{e^{2} \over 4} &+& {1 \over 4} \\
\end{align}
-
部分積分
-
この積の積分の求め方部分積分と言いますが、この式を覚えようとしないこと!
\begin{align}
\int_{x=a}^{x=b}f(x) g'(x) dx
=
\Bigl[ f(x) g(x) \Bigr]_{x=a}^{x=b}
-
\int_{x=a}^{x=b} f'(x)g(x) dx
\end{align}
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いざ試験の時に使おうとしても、マイナスだったかな?プラスだったかな?
どっちが先だったかな?など、考えれば考えるほど不安になって使えません。
それではなくて、こっち
\begin{align}
( f(x)g(x) )' = f'(x)g(x) + f(x) g'(x)
\end{align}
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なら自信をもって使えるので、
「この両辺を積分して、両辺から引き算する」出し方の方を覚えましょう。
- 教訓:
- 公式は覚えない。公式の出し方を覚える。毎回出してれば出せようになる。
自力で出せれば暗記がいらない。そして自信が持てる。
- やってみよう
-
フォントが小さいですが 積分範囲は $0$ から$\displaystyle {\pi \over 2}$までです
\begin{align}
\int_{x=0}^{x={\Large \pi \over 2}} x \, \sin{(2x)} dx
\end{align}
かいてみたら
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