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\begin{align}
\int_{x=aから}^{x=bまで} 微分後 f'(x) \ dx \quad
&= \quad
\Bigl[ 微分前 f(x) \Bigr]_{x=aから}^{x=bまで} \\
&= \quad
f(b) - f(a)
\end{align}
でしたね。
ここで、積分区間「 $x=a$ から $x=b$ まで」が指定されていなかったらどうしましょう?
「 $x=a$ から $x=b$ まで」が書けないので、単に、微分前の関数を答える式になります。
\begin{align}
\int 微分後 f'(x) \ dx \quad
&= \quad
微分前 f(x)
\end{align}
右辺にあった$\Bigl[ \quad \Bigr] $ もなくなりました。
これは
$ f(b) - f(a) $ の引き算を表すものでしたから、
積分区間がないなら引き算もできないので、書いてはいけないのです。
\begin{align}
\int 微分後 f'(x) \ dx \quad
&= \quad
微分前 f(x)
\end{align}
このような、積分区間の指定のない積分を「不定積分」といいます(p.86)。
とりあえずかんたんですよね
\begin{align}
\int x \ dx \quad
&= \quad
{x^2 \over 2}
\end{align}
でいいんでしょう?右辺を微分したら左辺の中身 $x$ になるもの。
いやちょっと待って
\begin{align}
\int x \ dx \quad
&= \quad
{x^2 \over 2} +1
\end{align}
これはどう?この右辺
$\displaystyle
{x^2 \over 2} +1$ を微分しても左辺の中身 $x$ になるよ?
いや私は
\begin{align}
\int x \ dx \quad
&= \quad
{x^2 \over 2} +5
\end{align}
こうしたけど?この右辺
$\displaystyle
{x^2 \over 2} +5$ も微分して $x$ になるよ?
これじゃきりがないですよね。
定数を微分したら0なので、右辺にどんな定数がついていても
微分した結果に関係ないですね。
なので、
\begin{align}
\int x \ dx \quad
&= \quad
{x^2 \over 2} +C \quad (Cは任意定数)
\end{align}
のように書きます。「任意定数」のかわりに「積分定数」と習った、という人はそれでも別にいいです。(任意定数書かないと減点されます。)
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練習:教科書
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p.88 例題32(2)
p.89 例題33(1),練習33(1)(2)
p.95 例題38(2),練習38(3)
間違ったところや説明不足だったところがあれば赤ペンで添削したのち
そこから先を、お手本を見ずに鉛筆で新たにやり直すようにしてください
- 部分積分
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掛け算の不定積分も、掛け算の微分から
\begin{align}
( f(x)g(x) )' = f'(x)g(x) + f(x) g'(x)
\end{align}
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この両辺をそのまま積分し
\begin{align}
\int( f(x)g(x) )' dx =
\int f'(x)g(x) dx +
\int f(x) g'(x) dx
\end{align}
左辺は微分の積分だから元に戻って
\begin{align}
f(x) g(x)
=
\int f'(x)g(x) dx +
\int f(x) g'(x) dx
\end{align}
右辺1項目を両辺から引くと
\begin{align}
f(x) g(x)
-
\int f'(x)g(x) dx
=
\int f(x) g'(x) dx
\end{align}
右辺と左辺を入れ替えると
\begin{align}
\int f(x) g'(x) dx
=
f(x) g(x)
-
\int f'(x)g(x) dx
\end{align}
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細かいこというと3行目左辺の$ f(x) g(x) $ にも任意定数がつくんですが、
一番最後の積分にも任意定数がつくので、
なんでもいい定数+なんでもいい別の定数は
どうせなんでもいい定数になるから、任意定数は最後の1個にお任せして、
途中は書かなくてもいいことになっています。
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練習:教科書
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p.98 例題40(1)(2),練習40(1)
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