- $ y = \sin( x^3 +x^2 +1) $の微分
-
\begin{align}
y = \sin( x^3 +x^2 +1)
\end{align}
という、1本の複雑な式は、
\begin{array}{ll}
u &= x^3 +x^2 +1 \\
y &= \sin{( u )}
\end{array}
という、2本の簡単な式に書き換えることができるので、
合成関数の微分
\begin{align}
{dy \over dx } = {dy \over du } { du \over dx}
\end{align}
の式を書いて、右辺をそれぞれ計算し、代入すれば
簡単に微分が求まります。
$\displaystyle{dy \over du }$ とは $y$ を $u$ で微分するという意味、
$y = \sin{( u )} $ を微分したら
\begin{align}
{dy \over du }
&= {d \over du }(\sin{(u)} ) = \cos{(u)}
\end{align}
ですね。
ここで1年生のかたは、初めて見た
$\displaystyle {d \over du }$ にびっくりしたかもしれません。
$\displaystyle {d \over du }$ は、直後に来るものを $u$ で微分する、という演算子です。
$\displaystyle {dy \over du }$ のことを
$\displaystyle {d \over du } y $ と書いてもよく、$y$ の部分(被積分関数)が長いときは、分数の上に載せないで
後ろに書いてもいいのです。
注:$\displaystyle {d \over du }$ は、直後に来るものを $u$ で微分するので、
被積分関数とのあいだに掛け算記号
$\cdot$を書いてはいけません。
\begin{align}
正\qquad {dy \over du } &= {d \over du }(\sin{(u)} )\\
\end{align}
\begin{align}
誤\qquad {dy \over du } &= {d \over du }\cdot (\sin{(u)} ) \\
\end{align}
(これだと 「$\cdot$」 を微分しようとして、$(\sin{(u)} )$ は微分されない)
$\displaystyle {du \over dx }$ とは、$u$ を $x$ で微分するという意味、$u = x^3 +x^2 +1 $ なので
\begin{align}
{du \over dx }
&= {d \over dx }( x^3 +x^2 +1 ) = 3 x^2 + 2x + 0
\end{align}
$\displaystyle {d \over dx }$ はもちろん、直後に来る $( x^3 +x^2 +1 ) $ を $x$ で微分します。
この2つの結果を合成関数の微分の式に代入すると
\begin{align}
{dy \over dx } &= {dy \over du } { du \over dx}\\
\\
&= ( \cos{(u)} ) \cdot ( 3 x^2 + 2x )
\end{align}
後半の式が $\cos{(u)}$ の角度に含まれないように
$\cos{(u)}$に( )が必要です。
$ \cos $ はなるべく最後に来るように書きましょう。
こうすれば$\cos{(u)}$ を囲む( )が不要です。
\begin{align}
{dy \over dx }= ( 3 x^2 + 2x ) \cos{(u)}
\end{align}
$u$を戻して
\begin{align}
{dy \over dx }= ( 3 x^2 + 2x ) \cos{( x^3 +x^2 +1)}
\end{align}
これで完成です。簡単ですね。
では練習してみましょう。
- $ y = \sqrt{ x^2 +x +1 } $の微分
-
できたら
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