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解析I,II 対数

$\log$の出てこない形に直しなさい \begin{align} \log _e{y } = -x^2 \end{align} 底が $e$、 肩の上が$-x^2 $ なので \begin{align} y=e^{-x^2 } \end{align} かんたんでした。ここで、

教科書p.34をみてください。

底にもいろいろありますが、いちばんよく使うのは 10 と $e$ です。
10はなんとなくわかりますよね。 \begin{align} \log _{10}{y } = x \qquad 直すと \qquad y= 10^x \end{align} 何桁あるか調べる時に必要ですね。
5000円だと思ったら 50000円だった、とか
0が1個多いか少ないかでだいぶ違いますもんね。

理工系に限らず一般の人(common people) も使う対数なので これを「常用対数(common logarithm)」と呼び、 lc y とも書きます。でも使ってるのをあまり見たことないです。ふつうは $ \displaystyle \log _{10}{y } $ でいいです。

自然対数

底が $e$ の対数 \begin{align} \log _{e}{y } = x \qquad 直すと \qquad y= e^x \end{align} は、理工系なら分野を問わずどこの学部学科でもとてもよく使います。
また、人口増加とか、感染の拡大とか、
自然の摂理に従って増加減少するときには必ず出てきます。

自然(natural)現象によく使うのでこれを自然対数(natural logarithm)といい、
ln y とも書きます。これはよく使います。
$\log _{e}{y } $ とかくには $e$ を小さい字の下付きにしないといけないので面倒ですが
ln y だけならメールででも送れます。

関数電卓にもあるよ。 ln が自然対数、log が常用対数

常用対数の log 押して 10 を入れると、$\log _{10}{10 } $なので1と出るはず。
自然対数の ln 押して 10 を入れると、$\log _{e}{10 } $なので2.302...となります。
また、 log 押して 1 でも、 ln 押して 1 でも、
$\log _{10}{1} = \log _{10}{10^0 }=0 $、
$\log _{e}{1} = \log _{e}{e^0 }=0 $ なので、どっちも0になりますね。

関数電卓は理工系学生の必需品です。実験や電気回路の試験で使います。
日頃はスマホの電卓でもよいですが、試験にはスマホ持ち込みできないので
使い慣れた関数電卓が必要になるでしょう。

再び 教科書p.34を見てください。

「$e$ を自然対数の底とも言う。」
の次の行に
「数学においては自然対数をよく使うので、その底 $e$ を省略して \begin{align} y= \log{x } \end{align} と書くことが多い。省略してあれば底は $e$ である。」 と書いてありますね。

ここでご注意です。よいこの皆さんは省略しないで底 $e$ を書いてください

底 $e$ を省略するのは印刷屋さんの都合です。
皆さんが省略しても、何もいいことがありません。

例えば \begin{align} \log{e } =1 \end{align} とあると、「どうして1なんですか」という質問が山ほど来ます。
\begin{align} \log_e{e } =1 \end{align} なら、当たり前じゃん?$e$ は $e$ の1乗ですもんね。
また、 \begin{align} \log{y } =x \qquad を \qquad y= に直しなさい \end{align} と言われても「わかりません」「どうやるんですか」という質問が山ほど来ます。
\begin{align} \log_e{y } =x \qquad を \qquad y= に直しなさい \end{align} なら簡単です。今後の専門科目では、こういう作業が多いのです。
わざわざわかりにくくしてまで、$e$ を省略するメリットがないです。

教科書で底が省略されているところには、自分で底 $e$ を記入してください。

例えばp.35 の総合演習1-1の1.の(9) に底がないですね。ここに
と底 $e$ を記入してください。

3.(2)も底がないですね。ここに
と底 $e$ を記入してください。

今後、底が省略されているところを見つけたら、全箇所、自分で底 $e$ を記入してください。

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